栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

第7回 中和反応

●中和反応とは
H+を与えるのが酸で、受け取るのが塩基
酸と塩基とを過不足なく反応させる化学反応が中和反応で、
中和反応で水と一緒に生じるのが塩(えん)
中和反応によって未知試料の酸あるいは塩基の濃度を測定する手法が中和滴定

●実験内容
0.05mol/ℓのシュウ酸溶液200mlを作成し、ファクターを求める。
それを使い0.1mol/ℓの水酸化ナトリウム溶液のファクターを求める。

●実験結果
0.05mol/ℓシュウ酸標準溶液の調製
シュウ酸2水和物を用いて0.05mol/Lの溶液を調製した。シュウ酸2水和物0.05mol/L溶液を調製するためには0.12607gを量りとって200mlの溶液とすれば良い。
今回0.12607gに近い重さを量り200mlとした。この時理論値である0.12607gとの“ズレ”をファクターで明らかにする必要がある。
例) F = 0.1290 ÷ 0.12607 = 1.0232410…=1.023

水酸化ナトリウム溶液の標定
 水酸化ナトリウム溶液は0.1mol/ℓに調製した。
 この水酸化ナトリウム溶液とシュウ酸を用いて中和滴定を行い水酸化ナ トリウムの正確な濃度(ファクター)を求めた。
例) 滴定値(ml)  9.68 / 9.67 / 9.70
 平均 9.68333… = 9.68 
 滴定結果よりファクターを算出すると次のようになる
 F = (1.023×9.68)/10=0.990

0.1mol/ℓ水酸化ナトリウム溶液のファクターは1.000であったものを使用し、どれだけ精度の高い実験操作ができるかをみた。

●ポイント
これを応用して有機酸酸度を測定するので原理をよく理解しておくこと。
このあとしばらくビュレットを使用しますので、使い方になれること。