栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

食品学実験(7)メイラード反応(アミノカルボニル反応)

●実験内容
メイラード反応は還元糖とアミノ酸あるいはタンパク質との反応であるが、それが促進される要因、阻害される要因を学ぶ。

 

●実験項目
次の9通りのうち、各班3通りを選択(教員側から指示)
試験管に試薬を混ぜ、沸騰浴中で開始時から5分ごとに30分後まで色の変化を観察した。

 

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●レポート作成のポイント
そもそもメイラード反応は“還元糖”でなければ反応しません。還元糖について調べること。
反応を促進あるいは阻害する要因として、pHがあります。
試薬3によってpHはどうなるのか、そしてその時の反応はどうなるのかについて考察すること。
還元糖とアミノ酸が共存しさすれば、反応するのか?温度が与える影響についても考察すること。

食品学実験(6)ほうれん草の色素の分離

●実験目的
 緑葉に含まれる色素を有機溶媒で抽出し、薄層クロマトグラフィーで分離し、含まれている色素を確認するとともに、生の時と加熱した時で色素にどのような変化があるかを知る。

●実験内容
 ほうれん草をすりつぶし、ジエチルエーテルで色素を抽出した後、薄層版(シリカゲルプレート)を用いてクロマトグラフィーを行った。
 展開液は(ヘキサン:エーテル:アセトン=1:1:2)

●レポート作成のポイント
 まずは薄層版をよく観察しましょう。
 色素に番号をつけて、色、色素の名前、Rf値を求めましょう
 下の表のとおりにするとわかりやすいでしょう。

そのうえで、色素名を調べるときの注意。
・ほうれん草に含まれていること
・展開液が変わるとRf値は変わります

さらに、加熱により色素はどのように変わったか変わらなかったかを確認したうえで、色素の変化や調理においてなど考察しましょう。

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食品学実験(5)食品の色素 アントシアニン

●実験目的
アントシアニンがpHによってどのように色が変化するかを知る

●実験内容
100%ぶどうジュースに0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を0.2ml刻みで1.0mlまで入れ、その時の色を観察しpHを測定する

●レポート作成のポイント
pHが酸性、中性、アルカリ性のときにどのような色になるかを実験結果から確認したうえで、私たちの身の回りでこれを応用して加工・調理されている食品について調べる

食品学実験(4)食品の色素クロロフィル

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●実験目的
 クロロフィルがどのような条件下でどのように色が変化するかを知る
●実験内容
 ほうれん草の葉を酢酸、炭酸水素ナトリウム、硫酸銅、蒸留水の各溶液に入れ加熱後、ほうれん草の葉の変化を観察する

●レポート作成のポイント
 クロロフィルの色の変化にはポルフィリン環にあるマグネシウムが関与しています。色の変化とマグネシウムの関係を調べたうえで、実験と照らし合わせて考察する。
 クロロフィルの色の変化において、マグネシウム以外に関与している要素があります。それは何でしょうか?そしてそのときクロロフィルやほうれん草の葉はどのようになるかを調べ、実験結果と照らし合わせて考察する。

 酢酸溶液は特徴は何でしょうか?pHで考えてみましょう。
 炭酸水素ナトリウムの特徴は何でしょうか?pHで考えてみましょう。
 硫酸銅の銅イオンはどのような動きをするのか考えてみましょう。

 

    さらに、実際に調理する際にはどのような点に気をつけたらいいのか考えてみましょう。

食品学実験(3)寒天とゼラチンの凝固作用

●実験目的
ゲル化剤として寒天とゼラチンの凝固において、他の物質がどのように影響するか。

●実験項目
寒天、ゼラチンそれぞれに砂糖だけを加えたもの、酸(レモン果汁)を加えたもの、生のキウイ果汁を加えたものを作成し、固まり方にどのような違いがあるかを確認した。

●実験内容
実験目的をすべてひとつの班で行うのは難しいため、次のように分担して実施した。

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●レポート作成のポイント
1)各班における条件となぜそうなったかの原理
 条件は、
  砂糖のみ、
  レモン果汁を加え、その後加熱させたもの
  60℃まで冷やしたのち、レモン果汁を加えたもの
  60℃まで冷やしたのち、キウイ果汁を加えたもの です。
 これらの条件の違い及び寒天・ゼラチンの違いによって固まり方がどうかわってそれはどのような原理で起きるのかを実験結果と照らしあわせて考察する。

 

2)実習への展開
 給食管理実習のような大量調理において、このようなゲル化剤を使ったデザートを作成する場合、何に気をつけないといけないかを考察する。

 全ての項目が該当するわけではありませんが、大量調理など調理学の実習に展開できる項目については、それも視野に入れて考察すること。

 

 

2016年後期授業開始にむけて

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・連絡先
 e-mail  こちらからどうぞ 
 Twitter @YUMING316 授業に関する質疑応答はこちらから。その他学習に関することや将来社会に出たら・・・などは可能な範囲で回答します。
 授業のハッシュタグ #fchem

 

・食品学実験を担当しています

 反転授業(授業時間外)→前提講義(スライドショー)→実験→協調学習→レポート作成(授業時間外)

    の形式で2コマ=3時間連続で進めています。

    授業の記録は以前より公開していますが、今年度から前提講義で使用したスライドや配布物等もオンライン公開します。

 

・どのような実験をするか、あらかじめわかるように実験書を教科書にしています。また、実験レポートのフォーマットも冊子にしています。購入忘れのないように。

 

 ★では、みなさんとの出会いを楽しみにしています
 

食品学実験(1)(2)小麦粉の性質と加工特性

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1.小麦粉の性質

●実験内容
 小麦粉(薄力粉・強力粉)からグルテンを作り、ビウレット反応で確認する

●実験項目
 小麦粉からグルテンを作る。それをビウレット反応で確認する。
 作ったグルテン(湿麩)を乾燥させる。(乾燥したものを乾麩という)

●レポート作成のポイント

 1)もとの小麦粉に対してそれぞれの重量パーセントを求める。乾麩は湿麩に対しての重量パーセントも求める。理論上の数値はどうなるかを調べ、実験結果と比較して考察する。

この表のように書くとわかりやすい。

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 2)乾麩の形状や色を確認する。理想的な乾麩はどのような色や形をしているか調べ、自分たちの班のものと比較して考察する。

 3)ビウレット反応の色を確認する。紫色になったか?薄力粉と強力粉に違いはあったか?などを確認して考察する。 

2.小麦粉の加工特性
●実験内容
 小麦粉のバターを入れるとグルテンの形成にどのような影響を与えるか。

●実験項目
 小麦粉にバターを入れてこねたものと、バターをいれずにこねたものの硬さやもろさ、焦げ具合等を比較した。

●レポート作成のポイント
 1)バターを入れたものの硬さやもろさがどのような状態であったかわかりやすく書く。(結果のところ)

 2)バターを入れたらどうなるのか、それはどのような原理で起こるかを調べる。その調べた結果と自分たちの結果を比較してどうだったか。これらを全て考察に書く。
 

 

 

駒込めピペットの使い方

 

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製粉工場見学 

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