栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

第4回 アミノカルボニル反応

アミノカルボニル反応は、還元糖とアミノ酸あるいはタンパク質との反応によって、褐色の物質メライノイジンが生成されますが、これらの反応をアミノカルボニル反応または、発見者の名前にちなんで、メイラード反応といいます。

ご飯を炊飯器で長時間保温すると、黄色に変色することがありますが、これはご飯のでんぷんとたんぱく質が高温で分解し生じたグルコースアミノ酸が反応した結果です。また、焼き肉をする際にも、肉中のグルコースやグリコーゲンとアミノ酸たんぱく質高温で反応して褐変現象を起こします。


●内容
糖とアミノ酸共存している状態で加熱を行い、色の変化を時間経過とともに観察。(開始直後から5分ごとに30分後まで)

●結果
1.糖の種類によって反応の強さが違う
反応させる糖として、グルコース、アラビノース、スクロースを使用
アミノカルボニル反応はペントース>ヘキトース>二糖類の順に反応が強くなると言われています。
実験結果の反応の強さの順でアラビノース>グルコーススクロースとなりました。
なお、スクロースは全く反応しませんでした。
どうしてでしょうか?
今回、実験は行いませんでしたが、同じ二糖類でもラクトース、マルトースは反応します。しかしながらスクロースは還元性がないので全く反応しません(←ここ重要ポイント)
このことは、生化学でも必要ですし管理栄養士の国家試験で必要な知識なのでよく覚えておきましょう。

2.pHによって反応の強さに違いがあるか?
蒸留水(中性)、酢酸(酸性)、炭酸水素ナトリウム(アルカリ性)を添加し、試験管の中の溶液のpHを変えました。
アミノカルボニル応は、中性からアルカリ性で反応しやすく、特にアルカリ性での反応の強さは顕著。
お菓子に入れるベーキングパウダーには炭酸水素ナトリウムが入っている。これは炭酸ガスの発生によりふっくらさせる目的以外に、アルカリ性にすることによってメイラード反応を促進させることもある。

使用する糖やpHによって焼き色をコントロースすることができます。