栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

第9回 食品の塩分の測定(硝酸銀滴定法)

 

食品中の塩分はナトリウムの量ともとに、食塩相当量として計算されますが、日常的には塩化物イオンからの食塩相当量で管理されています。

今回は、この塩化物イオンによる塩分測定の原理を学び、実際に食品を使って測定しました。

●実験の原理
硝酸銀滴定法は滴定用の試薬として濃度の明確な硝酸銀溶液を用いる。
硝酸銀滴定法は2段階反応を行う。
第一段階 硝酸銀と塩化ナトリウムの塩素が反応し塩化銀(白色沈殿)を作る。
第二段階 塩化物イオンが消失した次の瞬間に、硝酸銀と指示薬であるクロム酸カリウム(クロム酸イオン)が反応してクロム酸銀の赤褐色沈殿ができる。この赤褐色の沈殿の生成をもって滴定を終了する。
※滴定スピードが速いと、第一段階の反応を行わずして、第二段階の反応にいってしまうので注意する事

●実験試料
みそ
うすくち醤油
こいくち醤油
スポーツ飲料

●ポイント
実験結果と食品成分表との値に差異はあるか。
スポーツ飲料は栄養成分表示に書かれているナトリウム値から食塩相当量を計算し、実験結果と比較すること。

ナトリウムからと塩化物イオンからとで求めた塩分値に差異はあるのか。あったとしたら、それはなぜか。

●栄養成分表のナトリウム値から食塩相当量を計算し、そのうえで栄養価計算ができるようにしておきましょう。