栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

第3回 ゲル化剤(寒天、ゼラチン)の性質を知る

第3回は、ゲル化剤(寒天及びゼラチン)の性質を知る実験です。

●内容
実際の給食など大量調理の現場では使われる寒天とゼラチン
これらの凝固作用における違いについて、
どのような条件であれば固まるか固まらないかの実験を行いました

条件は次の通り
ブランクとして、砂糖のみ入れたもの。
それに、レモン果汁を加えその後加熱させたもの
60℃まで冷やしたのちレモン果汁を加えたもの
60℃まで冷やしたのちキウイ果汁を加えたもの

●結果
ここで覚えておかないといけないことは、

1.ゼラチンはタンパク質なので、タンパク分解酵素をもつキウイ生果汁を加えると固まらない。一方、寒天は多糖類のためタンパク分解酵素の作用をうけないので固まる。パイナップルやキウイなどタンパク分解酵素をもつ食品をゼラチンで利用するときは、あらかじめ加熱するか缶詰のものを利用するとよい。
2.レモン果汁などの酸を加えてから加熱すると寒天の凝固形成が阻害されて固まらない。一方、ゼラチンは酸の影響を受けないので固まる。
寒天にレモン果汁など酸を使うときは60℃位まで冷やしてから入れると固まりやすくなる。

●補足
ブランクが固まらない時が時々あります。
理由としては
寒天の場合:加熱不足
ゼラチンの場合:加熱しすぎ

これはしっかり知識として習得しておかないと、実習で失敗しますよ。