栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

第10回 牛乳からの栄養素の分離とその定性反応 その1

【タンパク質とは】
 20種類のアミノ酸が任意の割合と順番でペプチド結合した高分子化合物。3大栄養素の中では唯一窒素を構成元素に持つ。
アミノ酸
 分子内にアミノ基とカルボキシル基を持つ。
 タンパク質を構成する天然のアミノ酸は20種類。必須アミノ酸と呼ばれる生体内での合成が出来ないか、ごく僅かしか合成できないアミノ酸が多く含まれるタンパク質ほど良質といえる。

必須アミノ酸
 トリプトファン、リジン、メチオニンフェニルアラニン
 スレオニン、バリン、ロイシンイソロイシンヒスチジン(9種類)
 条件によってはアルギニン、システインチロシン(成長の早い乳幼児)などを含むこともある。

 

●実験項目と実験結果

牛乳を遠心分離したのち、5%酢酸でpH4.5~4.6にしてカゼインを析出させ、析出したカゼイン及びアミノ酸溶液の定性反応を行った。

 

 

・ビウレット反応
タンパク質やペプチド結合をもつものの定性反応
反応した場合は紫色に呈色します

分離したカゼインは反応あり(+)
グリシンプロリンは反応なし(-)

 

ニンヒドリン反応 
遊離のアミノ基と反応し紫系の呈色をする。アミノ酸の種類によって色調が異なる。

アミノ酸であるグリシンプロリンは(+)
第1アミノ基をもつグリシンは青紫色に、
第2アミノ基をもつプロリンは黄色に呈色する。