栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

第8回 塩分の測定(硝酸銀法)

●実験の目的

食品成分表や栄養成分表示において、食塩相当量はナトリウムから算出していますが、日常の検査では、ナトリウムの分析が煩雑で時間を要するため、塩化物イオンの量から食塩相当量を算出する方法が用いられています。これを硝酸銀滴定法(あるいはモール法)と呼ぶ。

 

●実験の原理

モール法は滴定用の試薬として濃度の明確な硝酸銀を用いる。
モール法は2段階反応を行う。
第一段階 硝酸銀と塩化ナトリウムの塩素が反応し塩化銀(白色沈殿)を作る。
第二段階 塩化物イオンが消失した次の瞬間に、硝酸銀と指示薬であるクロム酸カリウム(クロム酸イオン)が反応してクロム酸銀の赤褐色沈殿ができる。この赤褐色の沈殿の生成をもって滴定を終了する。

 

●実験試料

みそ
昆布の佃煮
うすくち醤油
こいくち醤油
スポーツ飲料
トマトジュース

 

●実験の時の注意

1つの試料につき3回滴定し平均値をだす。
計算式にあてはめて試料100gあたりの塩分値を計算する。
試料100g当たりなので、容量(mℓ)で採取した試料は比重を使って重量(g)に計算しなおすこと
硝酸銀のファクターは授業内で提示した通り

 

●レポート作成のポイント

自分たちで実験した結果と食品成分表との値をよく比較しておくこと
スポーツ飲料とトマトジュースは容器に書かれているナトリウム値から食塩相当量を計算すること