●実験の目的
2,6-ジクロロフェノールインドフェノールを用いた還元型ビタミンCの定量。
還元型ビタミンCとインドフェノールの酸化還元反応を利用して食品中の還元型ビタミンCを測定する。
大根とキウイフルーツを用いた定量結果からビタミンCの摂取について考察をする。また、加熱調理や他の野菜との処理によるビタミンCの損失等について確認する。
●実験の原理
アスコルビン酸(還元型ビタミンC)溶液とインドフェノール溶液を混合するとインドフェノールの青色は薄いピンク色になり最終的には無色透明になる。このとき混合液の中では酸化還元反応が起こっており、デヒドロアスコルビン酸とロイコインドフェノールが生じている。この反応は定量的に進むので、あらかじめインドフェノール溶液1mlが何mgのアスコルビン酸と反応するのかを求めておけば、滴定に用いたインドフェノールの量からアスコルビン酸量を算出できる。(これはあらかじめ算出しておきました。プリントに書いてある数字がそれです)
●実験項目
1)キウイフルーツのビタミンCの定量
果汁にて測定し、1個の重さと果汁の重さから、キウイフルーツ100g当たりのビタミンCの量を算出する。
2)大根の調理におけるビタミンCの損失確認
すりおろし大根(すりおろし直後、24時間後)、加熱した大根、すりおろしした人参と混ぜたもの
これらの調理方法によりビタミンCがどの程度損失するか
今回はビュレットに試料を入れ、コニカルビーカーにインドフェノールを入れるので間違えないこと。
●レポート作成のポイント
1)各種試料より試料溶液を調製し、この溶液を力価既知のインドフェノール溶液で滴定したときの滴定値から各試料中のアスコルビン酸量を算出しました。キウイフルーツは果汁で測定しているので間違えないように。
2)今回の試料からビタミンCの1日の目安量である100mgを摂取することを考えると、どの食品をどのように摂取したらいいかを考える。
3)大根を15分間沸騰浴中で加熱した場合、すりおろし直後と比べて明らかにビタミンCが減っていました(損失)明らかに加熱調理(茹でる)により損失している。損失した分はどこへ行ったのかということが疑問として残るが、予備実験では損失した分のほとんどがゆで汁にあったことがわかっています。ビタミンCの摂取ということを考えれば煮物でなく、スープやみそ汁といったゆでた汁も一緒に食べることのできる調理法の方が損失した分を摂取できる可能性があると考えられる。
4)成分表の成分表の値と今回測定した値を比較しましたか?各食品の傾向は成分表と同じですが完全に一致していないことが分かります。これは、成分表の値が平均値であることや測定方法が異なること、さらには保存方法による増減など様々な要因により影響を受けます。特に、野菜や果物は品種、収穫時期、保存方法により著しい増減があることを知っておくこと
●今回使用した試薬
メタリン酸:ビタミンCの安定剤として抽出に使用
●補足
五訂増補日本食品標準成分表収載ビタミン
脂溶性ビタミン
ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK
水溶性ビタミン
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、
葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビタミンC