栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

食品学実験(8) 中和反応

●実験内容中和反応の原理を学び、有機酸酸度の測定に応用する。 ●実験項目0.05mol/Lのシュウ酸標準溶液を作成する(ファクターも求める)このシュウ酸標準溶液で0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を滴定し、ファクターを求める。 ●レポート作成のポイント実際…

食品学実験(7) メイラード反応(アミノカルボニル反応)

●実験内容メイラード反応は還元糖とアミノ酸あるいはタンパク質との反応であるが、それが促進される要因、阻害される要因を学ぶ。 ●実験項目次の9通りのうち、各班3通りを選択(教員側から指示)試験管に試薬を混ぜ、沸騰浴中で開始時から5分ごとに30分後…

寒天とゼラチンの凝固作用実験振り返り

寒天とゼラチンの凝固作用の実験の振り返りに書いてあったコメントについてのフォローです。 ・実験をやって理解することができました。・自分で調べて考察を書くことができました。 →やったね☆ 次からもこの調子でいきましょう!さらに、コメントで調理学の…

食品学実験(6) ほうれん草の色素の分離

●実験目的 緑葉に含まれる色素を有機溶媒で抽出し、薄層クロマトグラフィーで分離し、含まれている色素を確認するとともに、生の時と加熱した時で色素にどのような変化があるかを知る。 ●実験内容 ほうれん草をすりつぶし、ジエチルエーテルで色素を抽出した…

食品学実験(5) 食品の色素 アントシアニン

(予備実験時の写真 左→右にpHが上がっていきます) ●実験目的アントシアニンがpHによってどのように色が変化するかを知る ●実験内容100%ぶどうジュースに0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を0.2ml刻みで1.0mlまで入れ、その時の色を観察しpHを測定する ●レポ…

小麦粉の性質と加工特性の実験振り返り

小麦粉の性質と加工特性の実験の振り返りに書いてあったコメントについてのフォローです。 ビウレット反応があるとたんぱく質であるというのはわかりましたが、アミノ酸との関連性がわからなかったです。 →ビウレット反応はペプチド結合がないと反応しません…

食品学実験(4) 食品の色素 クロロフィル

●実験目的 クロロフィルがどのような条件下でどのように色が変化するかを知る●実験内容 ほうれん草の葉を酢酸、炭酸水素ナトリウム、硫酸銅、蒸留水の各溶液に入れ加熱後、ほうれん草の葉の変化を観察する ●レポート作成のポイント クロロフィルの色の変化…

食品学実験(3) 寒天とゼラチンの凝固作用

●実験目的ゲル化剤として寒天とゼラチンの凝固において、他の物質がどのように影響するか。 ●実験項目寒天、ゼラチンそれぞれに砂糖だけを加えたもの、酸(レモン果汁)を加えたもの、生のキウイ果汁を加えたものを作成し、固まり方にどのような違いがあるか…

食品学実験(2) 小麦粉の性質と加工特性

1.小麦粉の性質 ●実験内容 小麦粉(薄力粉・強力粉)からグルテンを作り、ビウレット反応で確認する ●実験項目 小麦粉からグルテンを作る。それをビウレット反応で確認する。 作ったグルテン(湿麩)を乾燥させる。(乾燥したものを乾麩という) ●レポート…

食品学実験(1)ガイダンス

半年前に入学したばかりだけど、卒業して栄養士として働いている自分の姿を想像してみましょう。保育園や企業で働いている人は同じ職場の人から、栄養教諭となる人には生徒から色々と無数の質問をされるでしょう。そのとき、あなたが自信もって答えられるだ…

2015年度後期授業にむけて自己紹介

・連絡先 e-mail こちらからどうぞ Twitter @YUMING316 授業に関する質疑応答はこちらから。その他学習に関することや将来社会に出たら・・・などは可能な範囲で回答します。 授業のハッシュタグ #fchem ・食品学実験を担当しています 反転授業(授業時間外)…

2015年食品学実験授業打ち合わせ

助手さんと今年度の授業の打ち合わせ。今年はより一層パワーアップ。 1.レポートを冊子に 授業の前半は定められたプリントに記入、後半は市販のレポート用紙に記入としていましたが、プリントのコピーに時間がかかるうえに、提出や返却の管理がアレな学生…

授業で使うスライドレコーディングの運用テストです

今年度の反転授業を順次公開しています

現在、後期の授業開始にむけて、色々と仕込み中ですが、今年度から始める反転授業の内容、予習のための動画とそれを見て課題に答える。これ専用のサイト(ブログ)を随時更新していますので、予習にあるいは復習にどうぞご覧ください。なお、課題は履修学生…

本年度2015年度の授業の準備

後期の授業(実験)開始まで2か月を切りました。 2012年にやっと実験室でパワポが使えるようになり、2013年のPC入れ替えで授業中に取った実験の画像もすぐに学生に見せることができるようになり、外部の画像(含む動画)を見ることができるようになりました…

第12回 牛乳からの栄養素の分離とその定性反応 その2

カゼインを析出させ、ろ過した時のろ液を精製し乳糖を分離。これとラクトース、グルコース、スクロースで糖の定性反応を行った。 ●実験項目と実験結果 ・モーリッシュ反応(αーナフトール反応)糖の検出に利用される。糖が含まれていれが反応あり(+)試料…

第11回 第11回 牛乳からの栄養素の分離とその定性反応 その2

【タンパク質とは】 20種類のアミノ酸が任意の割合と順番でペプチド結合した高分子化合物。3大栄養素の中では唯一窒素を構成元素に持つ。【アミノ酸とは】 分子内にアミノ基とカルボキシル基を持つ。 タンパク質を構成する天然のアミノ酸は20種類。必須アミ…

第10回 インドフェノール滴定法による還元型ビタミンCの定量

第10回 インドフェノール滴定法による還元型ビタミンCの定量 ●実験の目的 2,6-ジクロロフェノールインドフェノールを用いた還元型ビタミンCの定量。還元型ビタミンCとインドフェノールの酸化還元反応を利用して食品中の還元型ビタミンCを測定する。大根と…

第9回 食品の塩分の測定(硝酸銀滴定法)

食品中の塩分はナトリウムの量ともとに、食塩相当量として計算されますが、日常的には塩化物イオンからの食塩相当量で管理されています。 今回は、この塩化物イオンによる塩分測定の原理を学び、実際に食品を使って測定しました。 ●実験の原理硝酸銀滴定法は…

第8回 食品の酸度

食品には様々な有機酸が含まれています。有機酸ごとに定量するには液体クロマトグラフィーを使わなければならないですが、簡便な定量法として、中和反応を利用した滴定法で総有機酸を求めることができます。 使用する塩基は0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液、…

第7回 中和反応

●中和反応とはH+を与えるのが酸で、受け取るのが塩基酸と塩基とを過不足なく反応させる化学反応が中和反応で、中和反応で水と一緒に生じるのが塩(えん)中和反応によって未知試料の酸あるいは塩基の濃度を測定する手法が中和滴定 ●実験内容0.05mol/ℓのシュ…

第6回 ほうれん草の脂溶性色素の分離

食品の色は食事を楽しくし、また食欲をおこさせる重要な因子のひとつである。 今回はカラムクロマトグラフィーを使って緑葉野菜の色素の分離を行った。 カラムクロマトグラフィーは、カラムに種々の吸着剤をつめて適当な溶媒で展開すると、成分の吸着剤に対…

第5回 酵素による食品の褐変反応

りんごを切ってそのままにしておくて褐変します。これはりんごのなかの酵素によるもので、桃やバナナが褐変するのも同様です。これはりんご中のポリフェノールがポリフェノールオキシダーゼによって酸化された結果生成する物質が褐色のため褐変するのです。 …

第4回 アミノカルボニル反応

アミノカルボニル反応は、還元糖とアミノ酸あるいはタンパク質との反応によって、褐色の物質メライノイジンが生成されますが、これらの反応をアミノカルボニル反応または、発見者の名前にちなんで、メイラード反応といいます。ご飯を炊飯器で長時間保温する…

第3回 ゲル化剤(寒天、ゼラチン)の性質を知る

第3回は、ゲル化剤(寒天及びゼラチン)の性質を知る実験です。●内容実際の給食など大量調理の現場では使われる寒天とゼラチンこれらの凝固作用における違いについて、どのような条件であれば固まるか固まらないかの実験を行いました。条件は次の通りブラン…

第2回 小麦粉の性質と加工特性

●内容 1.小麦粉(薄力粉と強力粉)からグルテンを作り、湿麩と乾麩の重さを量る 2.ビウレット反応でグルテンであることを確認する 3.小麦粉に砂糖、バター、塩を入れるとグルテンの形成にどのような影響があるかを調べる ●結果 1.今年はもみ洗いしや…

第1回 オリエンテーション

初回はオリエンテーションとして、授業の内容を説明 1・授業内容について ・授業をうけるにあたって(服装、持ち物) ・この科目で身につけたい能力 ・実験室を使用するにあたっての諸注意 ・授業内容の予定(シラバスにそって) ・成績評価について(シラ…

2014年度食品学実験準備打ち合わせ

助手と今年度の授業の準備の打ち合わせ。やっと教科書を刊行することができたので(諸般の事情によりのびのびになっていたのである)、配布プリントの枚数が激減(紙代、助手の工数低減!)さらに昨年からプロジェクタを使えるようになったので、今年はこれ…

第12回 未知試料の分析

各自に分析する試料を配り、与えられた試料が何か実験により調べる。 試料は ①水 ②グルコース ③スクロース ④プロリン ⑤グリシン の5つのうちのどれかひとつ。 大事なことは、あてずっぽうやとにかくどれかやってみるのではなくて、きちんと論理的に考えて行…

第11回 牛乳からの栄養素の分離とその定性反応 その2

カゼインを析出させ、ろ過した時のろ液を精製し乳糖を分離。これとラクトース、グルコース、スクロースで糖の定性反応を行った。 ●実験項目と実験結果 ・モーリッシュ反応(αーナフトール反応)糖の検出に利用される。糖が含まれていれが陽性(+)試料溶液…