栄養士のための食品学実験

栄養学科「食品学実験」の授業の記録です

牛乳からの栄養素の分離と定性反応 実験振り返り

牛乳からの栄養素の分離の振り返りのフォローです。

・ビウレット反応について

たんぱく質の反応しかわからない。

ビウレット反応の原理がわかっていない。

→ビウレット反応はペプチド結合のところと反応します。なので、アミノ酸とは反応しません。まずはアミノ酸とたんぱく質の違いを明確にしておきましょう。

実験レポートで、ビウレット反応の結果のところに、大半の人がアミノ酸の反応が水色になったと書いていましたが、それはもともとの試薬の色です。反応したら紫色になると説明しました。さらにこれは一番初めに小麦粉のグルテンをビウレット反応で調べた時にも説明しました。よく理解しておきましょう。

 

・ニンヒドリン反応

プロリンの構造がわからない。

プロリンの構造と他のアミノ酸の構造の違いがわからない。

 →プロリンのみならずアミノ酸の構造の違いは、講義ですでに学習しているはずなので、プリント等をもう一度見ておきましょう。ちなみに構造の違いは下記のとおりです。

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・モーリッシュ反応

モーリッシュ反応とフェーリング反応とごっちゃになっている。

→授業の時のスライドに何がどのように反応するか説明し、そのスライドはいつでも見ることができるので確認しておきましょう。

 

・フェーリング反応

原理や反応がよくわからない。

→モーリッシュ反応と同様、スライドに書いてあるので確認しておきましょう。

還元糖がよくわからない

→メイラード反応のときに還元糖・非還元糖については、やりました。確認しておきましょう。なお、ラクトースとスクロースの構造の違いは下記の通りです。

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食品中のビタミンCの定量 インドフェノール法 実験振り返り

ビタミンCの定量 インドフェノール法の実験の振り返りです。

 

原理が難しい

原理がよくわかってない

原理を説明できない

 →原理は教科書や予習課題の動画を見て復習しましょう。

 

還元型と酸化型がわからない

→L-アスコルビン酸は還元型。これが酸化されるとデヒドロアスコルビン酸(酸化型)になります。

 

身近にある食材を使ったのでわかりやすかったです。

→今回の実験で最も大切なことは、講義で学習したビタミンCの性質を理解すること、そのうえで、献立をたてるときにどのような点に注意したらいいかを考えられるようになることです。

そのため、試料である大根に対して色々な条件を与えました。L-アスコルビン酸が酸化されやすい条件は何か、どのようにすれば効率よく摂取できるかを考えて献立がたえたらるようになったらいいね☆

食品の塩分測定(硝酸銀滴定法) 実験振り返り

食品の塩分測定(硝酸銀滴定法)の実験振り返りです。

今回は難しかったようです。

 

原理があまり理解できていない。

原理をしっかり復習しようと思う。

 →この意見が多数ありました。原理については実験書に書いてあります。化学反応式を完全に覚える必要はありませんが、硝酸銀滴定法は、塩化物イオン(Cl ⁻)から食塩相当量と求めていること、それとあわせて、ナトリウム量から食塩相当量を求めることができるようにしておく必要があります。

 

比重を用いることを理解していなかった。

比重がよくわからない。

 →液体の調味料などは、実際の現場では、栄養成分表示はgだけど、厨房で使用するときはmlやLで使用することがよくあります。そのため、比重を使って換算する場面がたくさん出てきます。今のうちに何度も復習しておきましょう。再度教えて欲しい人はヘルプのメッセージを☆

 

りんごの褐変反応 実験振り返り

りんごの褐変反応の実験振り返りです。

 

りんごが褐変するのは酵素が関係しているからだと理解できた。

→まずはこれを理解することが大切。メイラード反応は酵素反応、りんごの褐変は酵素による反応です。

 

ごっちゃになった。

→何がどうごっちゃになったのかな?それをきちんと説明できてこそ、わかってないという事、わかっていない部分が明確になります。また明確でないとこちらも適切なフォローができないので、わからないところを説明する訓練もしましょう。

 

全体的に理解度はよかったようですが、褐変する要因は何か、それを防ぐにはどうしたらいいか、それを調理で行うにはどうしたらいいかを考えて生かしていきましょう。

食品学実験(15) 未知試料の分析

●内容

今まで学んだ知識をもとに、与えられた試料が何かを分析する。

試料 A・B・Cそれぞれには、

炭水化物(でんぷん)、糖(グルコース、スクロース、ラクトース、アラビノース)、たんぱく質(ゼラチン)、アミノ酸(グリシン、プロリン)のどれか1種類の水溶液です。

試料 X・Yそれぞれには、次の組み合わせのうちのどれが1種類の水溶液です。
糖+アミノ酸、糖+タンパク質、炭水化物+アミノ酸 炭水化物+たんぱく質

 

今まで学習した実験方法を使いA・B・C・X・Yの試料が何であるか分析する。

ただし、論理的科学的な道筋をもって行うこと

(つまり、全部の反応を行えばそれぞれの試料が何かわかるが、それは論理的でも科学的でもないので注意すること)

 

実験終了後、各班でどのように結果をまとめたかを画用紙に書いて提出。

 

●ポイント

分析に使用した反応が何が反応して何が反応しないのか、理解しておくこと。
特に糖は糖の性質や構造と深く関係している。

 

 

食品学実験(14)牛乳からの栄養素の分離 糖の定性反応

●実験目的

牛乳から栄養素を分離し、その性質を知る。その過程において、糖の定性反応を通じて、構造の違いをも学ぶ。

●実験内容

カゼインを析出させた後のろ液を精製し、乳糖溶液とした。

この乳糖溶液並びにグルコース溶液、ラクトース溶液、スクロース溶液、アラビノース溶液を用い、糖の定性反応を行った。

●レポート作成のポイント

糖に関するそれぞれの言葉の意味を理解したうえで、どのような構造の違いから反応の有無ができるのかを調べて考察すること

・モーリッシュ反応

糖ならびに炭水化物の検出に利用される

 

・フェーリング反応

還元糖の検出に利用される

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・バーフォード反応

単糖類の検出に利用される

二糖類は単糖類より遅れてわずかに反応する

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・ビアル反応

アルドペントースの検出に利用される

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食品学実験(13)牛乳からの栄養素の分離とたんぱく質・アミノ酸の定性反応

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●実験目的

牛乳から栄養素を分離し、その性質を知る。その過程において、タンパク質・アミノ酸の定性反応を通じて、構造の違いをも学ぶ。

●実験内容

牛乳を遠心分離したのち、5%酢酸でpH4.5~4.6にしてカゼインを析出させ、析出したカゼイン及びアミノ酸溶液の定性反応を行った。

●レポート作成のポイント

・ビウレット反応

タンパク質やペプチド結合をもつものは紫色を呈する。

・ニンヒドリン反応

遊離のアミノ基と反応し、紫系の色を呈する。アミノ酸の種類によって色調が異なる。

(↑ ここをしっかり調べて書くこと)

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カゼインを分離したところ

 

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ビウレット反応でカゼインが反応したようす

 

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